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NPO法人と一般社団法人の違いは?

コンシェルジュ通信では、スタハで実施しているコンシェルジュ起業相談の事例をもとに、少し発展的なトピックスをご紹介します。
今回の担当は、北原有機夫コンシェルジュです。

 

NPO法人と一般社団法人。何が違うの?設立にあたって気をつけなければならない点は??

子育て支援を目的としたソーシャルビジネスを立ち上げようと考えているのですが、組織の形態をNPO法人と一般社団法人のどちらにすべきか迷っています。何が違うのか、設立にあたって気をつけなければならない点を教えてください。

【1】「一般社団法人」と「特定非営利活動法人(以下NPO法人)」の違い

どちらも、営利性よりも社会性を大事にする事業に向いている組織形態ですが、設立手続きや規定等に、下表のような違いがあります。
まずはこれを理解しましょう。

【2】設立にあたっての注意点

①一般社団法人の場合
税制優遇を受けたい場合は、下記2つのタイプいずれかの非営利法人とする必要があります。
a.徹底的非営利型:事業で稼いだ利益である剰余金や組織を解散する場合に残った残余財産を分配しない旨を定款で定めている場合
b.会員親睦交流目的型:会員の相互支援、交流、親睦を活動目的とし、収益事業を行っていない場合

②NPO法人の場合
事業内容が、下記を満たすことが必要です。詳しくは、内閣府のNPO認証制度のページで確認しましょう。
・特定非営利活動促進法で定める20の非営利活動及び「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する活動」に該当すること
・組織や活動が、所轄庁の認証基準を満たしていること

<参照URL>内閣府ホームページ 認証のための手続きPDF↓
https://www.npo-homepage.go.jp/uploads/kiso_ninsyoutetuduki.pdf

【3】収支についての理解は重要

ソーシャルビジネスの場合、サービスを受ける人が社会的弱者で十分な対価が得にくかったり、商品やサービスに社会的価値はあっても価格が安かったりなど、得られる収入では支出を賄いきれない場合があります。まずは事業計画をしっかり立て、収支が合わない場合は、その不足分をどう補うか計画する必要があります。

収支不足の解決には、支出の見直しをすることに加えて、収入の多様化を検討しましょう。
例えば、以下の方法があります。

①その他の事業収入…社会性の高い事業とは別に収益性の高い事業を行い、不足分を補う
②会費…会員からの入会金や会費等、安定した収入となります
③補助金・助成金…必ずもらえるわけではありません
④寄附金・協賛金…寄附は不安定な収入なのであまりあてにしないこと
⑤行政(地方自治体等)からの事業の受託…情報収取や関係者との交流が重要です
⑥借入金…日本政策金融公庫、金融機関等で取り扱っています
⑦クラウドファンディング…寄付型、購入型があります

<参考>
~認知の向上や支援を募りたいとき、知っておくと便利!~
Googleが非営利団体向けに提供する『Google Ad Grants(グーグルアドグランツ)』
NPO法人、一般社団法人(徹底的非営利型)が、通常は有料である検索広告を月に1万米ドル(およそ100万円)まで無償で掲載できるものです。
https://www.google.co.jp/intl/ja/grants/

【4】どちらの組織形態をえらぶか?

下記を判断基準として検討してみましょう。

①活動内容
NPO法人の定める20の活動領域と「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とする活動」という定義に該当するかしないか。例えば、会員や構成員相互の利益や特定の個人、特定の団体の利益を目的とする活動の場合は、NPO法人ではなく社団法人が適切です。

②事務手続きの手間、外部支援、活動の自由度などのメリット、デメリット
NPO法人は、設立申請に始まり、法に沿った組織運営や所轄庁への報告義務などの手間がありますが、設立後に補助金やサポート、税制優遇を受けられやすいメリットがあります。一般社団法人は、設立時に費用がかかり、補助金などの設立後のサポートを受けにくいものの、NPO法人よりスピーディーに設立でき、活動の自由度が高いというメリットがあります。それぞれのメリット、デメリットを、進める事業や組織の特色と照らして検討しましょう。

NPO法人、社団法人の設立や運営について、わかりにくい点がありましたら、コンシェルジュ相談をご利用ください。

コンシェルジュ 北原 有機夫

 


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