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フォロワーに“効く”SNS活用のキモ、お伝えします!

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SNSの運用を頑張っていても、なかなか売り上げにつながらない。
フォロワーが増えても商品の購入までいかない。
投稿しても反応がない。
SNSの種類も機能もたくさんあってよく分からない。
 
そんなSNS運営のお悩みを解決すべく、今回のイベントレポートは10/9に開催された‟なぜ「フォロワー=お客様」にはならないのか?あなたから買いたい!と言われるSNS活用術について学ぼう”をお届けします!
 
イベントの前半は、SNS活用のプロ、三浦綾子先生が登壇。後半は、Instagramで月5千円→日商50万円超えを成功させた「Ants' coffee company」オーナーの市山ありさんが登場します。 

 

イベント前半

登壇者

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三浦 綾子氏(株式会社女子トク 代表取締役 / ソーシャルメディアコンサルタント)
東証一部上場企業2社で法人営業を13年半経験した後、2016年に独立。独立準備中に、SNSを活用して集客をし始めたことがきっかけで、女性の起業支援事業をスタート。現在は、個人向けサービスだけでなく、法人向けのSNS運用コンサルティング・研修事業を展開し、実績多数。今年4月に働く女性のためのフリーコミュニティ「女子トクforLady.」を立ち上げ、国内・海外約300名の女性が参加している。

いま、SNSの“在り方”が変化しています

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こういった悩みをお持ちの方、多いのではないでしょうか? 

三浦先生は、「こういった悩みは、あなたの元だけに起きているわけではありません。」とおっしゃいます。SNSはいま、その在り方や、社会との関わり方が変化しているそう。

三浦先生(以下、三)「2年ほど前のSNSは、“ご近所ですれ違う人たちと出会えるような場所”でしたが、いまのSNSは‟リビングルームで気の合う家族や友人たちと安心・安全に交流する場所”へと変化しています。」 

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「こうした変化から、SNSはいま、“量から質が問われる時代”へ変わりました。Twitterであればフォロワーの数、Facebookであればお友達の数、Youtubeであればチャンネル登録者数。それぞれ名称は違いますが、‟フォロワーの数だけでは売り上げにつながらなくなっている”というのが現状です。フォロワーとしっかり距離を近づけているか、リアルな人間関係と同じように交流ができているか。そういった関係性のクオリティが問われる時代です。」

これからのSNSは‟フォロワーの育成”が必要な時代に

 ☟下記ピラミッドの図は、三浦先生が「今日お伝えするなかで一番大事」とおっしゃっていた資料です。

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SNSの勝負所は、フォロワーの数ではなくフォロワーの質。とはいえ、最初の接点は「なんとなく気になるからフォローしてみた」からはじまるものです。この層は、興味がなくなったら即フォローを外しますが、人間関係の入り口というのはだいたいそこから。アカウントを運営している側は、そこからいかに興味を持ってもらい、フォロワーからファンに、ファンから顧客に、そしてピラミッド最上のリピーターへと育てていくか。そこが、SNSを通じて収益を上げる秘訣となります。

三浦先生は「ピラミッドの上へと意識して育成しないと、フォロワーがお客様になることはありません。」とおっしゃいます。それでは次に、フォロワーがお客様にならない理由をみていきましょう。

ズバリ、フォロワーがお客様にならない理由は?

「その理由を一言でいうと、“コミュニケーションを取っていないから”になります。コミュニケーションの定義はすごく広い言葉になってきますが、ここでは“人間関係”だと思ってください。SNSで会話をしているかどうか、これが、先ほど見ていただいたピラミッドの上へと育成する手段になります。SNSというのは、本来ビジネスをする場ではありません。ユーザー同士が会話をする、コミュニケーションを取る場所です。わたしたちはそこにお邪魔させていただき、フォロワーと交流し、その結果ファンになり購買がおこる。そういったコミュニケーションのプロセスを無視して注文が入るということは、基本的にないと思ってください。」

コミュニケーションを図り交流を深めても、最終的にはセールスをかけなければなりません。SNSを営業マンとして活用していく場面になります。そうなると、これまでに受けた“接客や営業”の経験が役立ちます。そこで質問。みなさん、こんな営業をされた経験、ありませんか?

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上記のような“不快な営業経験”をSNSに置き換えてみましょう。フォロワーが何を求め、どんなことをしているのか知ろうともせず、自分の商品だけ売る・サービスを告知する・数字をつくりたいときだけ連絡してくる。人柄も見えず、リアクションも悪い。こういった不快な営業経験を反面教師とし、逆にされて嬉しかった経験をSNSに活用していく。画面の先には必ず人がいるということを想像し、その人たちと丁寧にコミュニケーションを図っていくことが、お客様に愛されるSNS営業マンのコツになります。

フォロワーをお客様に育てる3ステップ

今日から実践できる3ステップはこちら!

STEP1 あなた自身がそのSNSを居場所にすること

ビジネスで活用するSNSでは、まずは自分自身が利用者となり、情報をキャッチアップしたり、コメントしたりしましょう。そのSNSのなかで楽しむ経験をしないと、ユーザーとの価値観に大きな差が出ます。自分がいちユーザーとして利用し、滞在する時間を極力長くし、そのSNSと仲良くなる。これをやっていない方は、今日から実践を!

STEP2 強く見せない/偉ぶらない/かっこつけない

                            ↓

等身大/素直な発信/成功も失敗も見せる

STEP2は、どう発信していくかという内容になります。例えばInstagram。昔は見栄えの良い完璧な状態で投稿されていましたが、いまはあえてすっぴんでライブする時代。完成品の投稿は、あまりうけません。等身大で素直な発信。成功だけでなく失敗している姿もみせる。こういった姿が、ファンをつくる秘訣となります。

STEP3 フォロワー・お客様の力を頼る(他力万歳!)

サービスの開発や企画案などにフォロワーを巻き込んでしまいましょう。気軽に質問し、リアクションをもらい、みんなでカタチをつくっていく。こういった流れがSNSを活性化させます。

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三浦先生も実践しています。Facebookで質問し、コメントを56件もらったことで需要があると思い、

そこから生まれたサービスがあるそうです。まさに、フォロワーと一緒にサービスをつくる流れですね。

 

以上が、前半の講座でした。

三浦先生曰く、ここまでがSNSの‟概念的な話”。後半は、SNSを活用して大人気となったチーズケーキ屋さんのオーナー市山ありさんから‟実践的な話”を伺いました!

イベント後半

登壇者

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市山 あり氏(Ants’ coffee company)
2013年に大阪でカフェ(Ants' coffee company)を開業。店舗での売上をSNSを使って昨対230%アップさせる。さらにコロナ禍の中インスタグラムを活用して1ヶ月もたたずに1日50万円超えの売上達成。店舗、通販ともにアルバイトスタッフだけで売上を伸ばす仕組を確立。より多くの人に商品を届ける為に現在は通販事業、有名百貨店での販売、他店とのコラボや商品監修も手がける。

月5千円だった通販の売り上げが、50万円に!?

三浦先生のInstagram講座を受けた市山さん。その翌日からInstagramの投稿がメキメキとアップし、1ヶ月もせず三浦先生のもとに「通販めっちゃ売れてます!」との報告が入ってきたそう。そのときの状況をお話しいただきました!

市山さん(以下、市)「通販の設定はInstagramを投稿する前からしていたのですが、売り上げは月5千円ほど……。むしろ0の月もありました。これをどうにかしようとInstagramを学び、それから1日10万と売り上げが伸びるようになったんです。」

三浦先生(以下、三)「1日10万円というのは、Instagramをアクティブに動かしてからどれくらいのことでしょうか?」

「1週間です。1週間で1日の売り上げが10万円に伸びました。その頃はコロナによる自粛がはじまり、これはもう大変だなとお店をお休みし、通販だけに力を入れようとシフトしたんです。どう通販事業をやっていくか悩み、一度しっかり企画を練ろうと考えたんです。Instagram用の企画を2日間考え、発信し、その2日後に1日50万まで売れるようになりました。」

「月に5千円だったのが、50万円に。すごいですね!」

「SNSに写真を載せるだけでは、売り上げは伸びません。綺麗な写真も大事ですが、そこにマーケティングを絡めることが大事。私は、マーケティングとはお客様への“思いやり”だと思っています。新しいフォロワーを増やすことに注力しがちですが、フォロワーが増えたからといって売り上げが伸びるわけじゃありません。お店を楽しんでもらえる仕組みをつくり、そこから売り上げにつなげていく。そこが大事です。」

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コロナの自粛時期、フォロワーは何に困り、何を欲しいのか考えた市山さん。フォロワーには小さなお子さんを持つママ世代が多いことに気づき、「子どもを外に連れて行ってあげられない」「することがない」という悩みをキャッチアップ。そこで考えた企画が‟チーズケーキにお絵描きをする”という特典。お絵描きをしたらシェアしてねというメッセージを同封したことで、ハッシュタグつきの投稿が増え、盛り上がったそうです。

「どんな方が自分をフォローしているのか、どうやって調べました?」

「男性・女性・年齢層という大まかな情報は分かりますが、どういった悩みを持ち、どんなものに興味を持っているのかは、分かりません。だから、実際にフォロワーさんのページを覗きに行くんです。どんな投稿をして、どんなコメントをしているのか。そういうものを見ながら現状を確認し、正しい情報を知ることが大事だと思います。」

「フォロワーのページを覗きに行くのは、地味だけどすごく大事です。マーケティングでいうところの“リサーチ”になるわけですから。」 

市山さんの‟フォロワー交流術”とは

「フォロワーとの交流は、具体的にどのようなことをしましたか?」

「自分のお店のハッシュタグを検索して、投稿していたお客様に『ありがとうございます!よろしくお願いします』とコメントし、ご挨拶に行きました。それをストーリーズ機能にどんどん載せていき、反応があったらお返事していく。お店のアカウントにコメントするのって、けっこうハードルがあると思うのですが、そんなやりとりを繰り返すことで、“コメントしてもいいんだな”という雰囲気になっていきました。また、DMにお問い合わせをいただくことが多いのですが、そのときはもうフランクな感じで、絵文字をつけてお返事します。こういったやりとりをしたお客様は購入したあとに投稿してくださるし、こちらもまたお返事ができ、つながっていきます。」

「コミュニケーションをとっていない人にコメントするのは、なかなかハードルが高いです。勝手にタグ付けして何か言われないかな……とか、この人誰?と思われないかな……など、気にしている人も多い。こちらがどういう態度を取れば、相手がコミュニケーションを取りやすいか、市山さんの交流術を参考にいろいろ試してみてください。ただ、絵文字をたくさん使ったり、フランクにお返事したりというのは、市山さんの人柄があり、お店のキャラクターがあってのこと。ご自身のキャラクターやお店・会社の人柄に合わせた‟等身大のコミュニケーション”を図っていくのが大事です。」

参加者さんからの質問!

SNSの使い分けはどうやっていますか?

「Twitterは拡散を目的とし、またメディアと接点を持つ場所だと思います。Instagramは商品やお店の雰囲気を伝えたり、予約や空席などのリアルな状況を報告したりする場、Facebookは思いを綴るところだと思っています。」

「各SNSには、それぞれ特性があります。Instagramはライフスタイル、自分の趣味や価値観で情報を取る場所なので、その切り口でアカウントを運営していくといいと思います。Facebookはアカウント主の人脈により拡散力が変わります。ただ、ビジネス系の発信をしている人が多い媒体なので、ビジネス寄りやBtoBのお仕事をされている方とは相性が良いですね。Twitterは拡散力があります。メディアや著名人も運営しているので、タイアップしたい、取材されたいという方は、プレスリリースやPRといったポジションで使うといいです。」

最後に、起業を目指す参加者へ激励のメッセージを! 

「まずはお客様のことをよく知る!これが何よりです。ビジネスはお客様ありきだと思うので、お客様が『今日1日良かったな』とか『この人に出会えて良かったな』とか、そう思ってもらえるような関係をつくっていけたら、強いビジネスになると思います。頑張ってください!」

「私は35歳で起業しましたが、実は、起業したいと思ったのは28歳のときでした。そのあいだの6年間は、何をやっていいか分からなかった。自分は何ができるのか、何の専門家なのかは、最初から決まっているものじゃないと思います。人に必要としてもらえる種があったら、とにかく提供してみる。場数を踏み、反応を見る。その先に、これは仕事になりそうとか、この分野はやっていて楽しいとかが見え、数年後に何かの専門家というカタチで自分の軸ができてくるものです。最初から完成形を目指さずにビジネスをはじめると、気持ちも楽になりいいと思います。」

以上が、イベントレポートでした。
今日から実践できるSNS活用術、ぜひトライしてみてください!

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