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株式会社 TWO 代表取締役 CEO 東義和 さん

「SDGsやエシカルを全面に出さず、“ヘルシージャンクフード”をコンセプトに」

起業家の本棚では、注目の起業家が語る「その時、私を支えた1冊」をご紹介します。 今回は、株式会社 TWO 代表取締役 CEOの東義和さんです。

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東義和 さん(株式会社 TWO 代表取締役 CEO)

自ら創業した企業ブランディングを行うPR会社を経て、2015年にウェルビーイングな事業を展開する株式会社TWOを設立。SNSで話題を集めた中性重炭酸入浴剤「BARTH」や、都内6店舗を展開するプラントベースフードブランド「2foods」を立ち上げる。(撮影:蔦野裕)

中性重炭酸入浴剤「BARTH」で知られ、ウェルビーイング(心身が健康で、社会 的にも満たされている状態)事業を行う株式会社 TWO を創業した東義和さん。 2021 年 4 月に立ち上げた初の飲食業態「2foods(トゥーフーズ)」は、注目のプ ラントベース(植物由来)フードブランドとして、現在都内に6店舗を構えている。 コロナ下で快進撃を続ける “ ヘルシージャンクフード ” の戦略とは?

東氏「もともと15年ほど経営していたPR会社のグループ会社として、マーケティングのノウハウを生かしたメーカー部門を立ち上げました。PR会社がそれなりの規模に成長し、どちらかの事業に集中しなければいけない局面を迎えた時に、僕にとってPR会社で株式上場するよりも、メーカーとして未知なるものに挑戦したいという思いがあって、TWOとともに独立する道を選びました」

 

「2foods」で飲食に参入した経緯について

東氏「ウェルビーイング事業を追求するために独立し、より健康への影響度とマーケットの大きな事業として“食”にフォーカスしたいと考えました。特にプラントベースフードは、食のディスラプション(破壊的イノベーション)といいますか、車でいうとEVのようなまったく新しい産業です。企業として向かう市場規模も魅力的でしたし、SDGsの観点でも事業が大きくなればなるほど地球に貢献できて、植物性なので健康的と三方よしのやりがいのある事業ということで決断しました」

 

プラントベースフードのブランド化には、PR会社で培った経験も生きる。

東氏「潜在的需要を喚起したり、見えない価値 を言語化し、消費者をつなげるのは僕ら の得意分野です。『2foods』ではあえて SDGsやエシカル(倫理的)を全面に出さ ず、機能性や見た目、味つけを伝える“ヘルシージャンクフード” というコンセプト を設定しました。どうしてもこういうカテ ゴリーでは、商品を人格化するのにエシカ ル要素を全面に出しがちですが、食という分野を考えた時に、まずは食欲をそそる必要があります。『2foods』は、ジャンクフードのような“五感を刺激するやみつき感”を追求し、そこに健康的、エシカルという要素が付加されるといった通常とは似て非なるブランド訴求をしています」

 

カラフルなドーナツをはじめ、見ただけでわくわくするメニューも印象的だ。

東氏「ブランドの存在感やプラントベースフードの啓もうという意味でも、あえて意外性のあるメニュー選びを意識しました。健康的なものを健康的なメニューで出しても印象に残りませんが、植物由来なのに見た目がカラフルで味がおいしい、というギャップはインパクトにつながりますよね?ドーナツも合成着色料を使わず、素材の色だけであのカラフルさを出しているんです」

 

ローンチまでに苦労した点とは。

東氏「“ジャンクフードのようなおいしさ”を目指してメニュー開発したので、レシピひとつにも前例がない中で、新しく独自に考案するという苦労がありました。より多くの方に食べてもらいたいことから、極力ヴィーガンという言葉を使わず、健康食のような訴求もしていないため、消費者に伝わりにくいもどかしさは今も課題となっています。新しい価値観が、どうカルチャーとして市民権を得るかがブレイクスルーのポイントだと思っているので、ブランディングには非常にこだわっています」

 

その反響と手応えは。

東氏「プラントベースフードやヴィーガンと接点のない人が、たまたま渋谷ロフトへ足を運び、食べてリピーターになってくれるのはうれしい発見でした。ブランド立ち上げ以降、急激にエシカル消費を意識する消費者が増え、この流れはどんどん加速していくんじゃないかと感じています。
とはいえ、我々は飲食業の経験がないまま事業をスタートしたので、“アルバイトさんが来ない”とか“さっきのコーヒーと味が違う”とか(笑)、基本的な失敗はたくさんあります。そういう失敗は、積み重ねて向き合っていけば必ず身につくものなので、飲食業経験よりブランドコンセプトを共有することを大事にしています」

 

アフターコロナを見据えた展開とは。

東氏「今後、間違いなくDX化が進むでしょう。ECサイトでの商品販売、今までの“常連さん”を可視化するDXやリテンション(既存顧客維持)のマーケティングのノウハウは必須です。飲食業はどうしてもPL(損益計算書)脳になりがちですが、ブランド資産を高め、複合的な売り上げで全体事業を作るBS(貸借対照表)脳でやらないと勝ち残れないと思います。
世界的なプラントベースフードやヴィーガンメニューを試食して思うのは、日本の食のレベルは世界一高い。食のクオリティーや国としてのブランドイメージは世界で戦えるので、近い将来にグローバル展開を視野に入れています」

東義和さんの起業家年表&「その時の1 冊」

【2005年2月】 24歳の時にPRを軸にしたブランディングカンパニーの株式会社マテリアルを起業。今では考えられないが、このころは徹夜が当たり前でとにかくがむしゃらに働く

『成功者の告白』(著者:神田昌典 講談社+α文庫)

順調に会社が成長し、規模が拡大する中で想像もできない環境の変化に、自分自身、何が答えか分からなくなった。重要なポジションの社員が辞めていったり、私生活でもネガティブなことが起きたりした中でこの本に出会い、何事も物事には相関がある、すべての出来事は今の自分を写している、という考え方は大きな気づきに。

【2018年8月】 世界最大級の広告賞であるカンヌライオンズで、Global Creativity Report 2018のPR Agencyランキングにて世界18位に認定される

『闘戦経』(著者:家村和幸 並木書房)

戦いへ向かうメンタリティー、勝ち方を教えてもらった。ルールを無視した勝ち方やプライドのない勝ち方ではなく、クレバーかつ正々堂々と勝つ、という日本人の美学に象徴される侍のような思考に心を打たれた。

【2019年1月】 Twitterで中性重炭酸入浴剤「BARTH」が大きな話題となる

【2019年12月】 中性重炭酸入浴剤「BARTH」がアットコスメのベストコスメアワードほか、ロフト、LDKなどさまざまなアワードで1位を獲得。15年間経営したマテリアルグループを離れ、TWOに専念

『ブランディング22の法則』(著者:アル・ライズ、ローラ・ライズ 東急エージェンシー出版部)

「BARTH」を作った際、普遍的で強いブランドを構築するためにどうするべきか、と熟考している時に参考にした。

【2021年4月】 プラントベースフードブランド「2foods」事業をローンチ。「2foods 渋谷ロフト店」を含む3店舗同時グランドオープン

【2021年11月】 渋谷ロフト店に続くフラッグシップショップ「2foods 銀座ロフト店」オープン

『ビジョナリー・カンパニーZERO』(著者:ジム・コリンズ、ビル・ラジアー 日経BP)

「偉大な企業という目的地があるわけではない。ひたすら成長と改善を積み重ねていく、長く困難で苦しい道のりだ」の一節にあるように、会社経営を“会社”というひとつの人格を持つ人生として現実的にとらえていたり、一方「成功というコインの裏面は失敗ではなく、成長だ」とあるように、失敗が成長の糧であることも書かれている。「2foods」がプラントベースフードの機能に留まらず、その背景にあるカルチャーや価値観を世の中に普及させるという“ゼロイチ”を作ろうとしている中で勇気をもらった一冊。

注目のプラントベースフードブランド「2foods」を立ち上げ!

2015年12月、株式会社TWOを設立。「健康と快楽はトレードオフの関係」という常識を覆し、カラダ、ココロ、そして社会的にも満たされる“真の健康”をデザイン、相反する2つを同時に享受できるプロダクトやサービスを提供するウェルビーイングカンパニー。代表ブランドはプラントベースフードブランド「2foods」、中性重炭酸入浴剤「BARTH」など。


株式会社TWO
【URL】https://two2.jp

 

取材:TOKYO HEADLINE