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日本の教師の価値を再定義し、多様化する社会に対応できる教育現場の実現を目指す

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Startup Hub Tokyo(スタハ)を利用して起業した先輩起業家に、起業までの軌跡をインタビューするシリーズ。
今回は、私立高校教諭で School Bridge ファウンダー 北澤壮太氏にお話を伺いました。

起業家プロフィール

School Bridge ファウンダー 北澤 壮太氏

民間企業の人事部で人材育成に携わった後、26 歳で教員に転身。都内私立高校の社会科教師として教壇に立つとともに、同校にて探究学習プログラムや起業家教育プログラムの立ち上げを経験。現役教師として勤務しながら教職者向けの転職・パラレルキャリア支援サービス『School Bridge』を立ち上げる。
School Bridge【URL】https://school-bridge.com/

 


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「School Bridge」への思いとは

北澤さん:「教師をもっと魅力的な職業にしたい。教員の価値を高め、大変な労働環境を変えたいということです。今、日本の先生たちの多くが“教師の価値”を自問しています。TALIS(OECD 国際教員指導環境調査)の結果では、先進国で最長の労働時間を誇り、自身のキャリアアップやスキル開発に時間を投下できていないという報告が出ています。ゆえに、履歴書に教師と書くと“ 社会経験が乏しい人材 ”と見られたりする。激務になりがちで転職しようにもスキルを生かしにくいとなれば先生になりたい人は増えていかない。現に東京都の教員採用試験の倍率は年々下がっており、このままでは競争を経ずに先生が現場へ送られることになる。巡り巡って生徒が、そして社会が困ることになるわけです。

このビジネスではまず、他校への転職活動をワンストップで行える教員・学校向けの人材紹介サービスを展開し、ゆくゆくは他業種へもつなげたい。例えば教師のスキルを生かしてコーチングやメンタリングに従事する人は多くいます。そしてさらに教育分野に関心のある他業種の人材や企業と教育現場との橋渡しができるプラットフォームを作りたいと思っています」

現役教師が事業をできた理由は

北澤さん:「学校側が教育現場への課題と向き合う姿勢を理解してくれたこと、僕が行ってきた学校での仕事を評価してくれたこともあると思います。家族の理解も大きかったです。

僕は教師でもできる、教師だからこそできると示すためにも、フルタイムで働く現役教師として事業を起こすことを最初から決めていました。それを実現できただけでなく結果として、事業立ち上げや運営の経験を学校での教育活動にも生かすことができています。パラレルキャリアで視野を広げながら自身のスキルを生かす先生たちがもっと増えてくれたらと思います」

現役教師である北澤さんが事業を立ち上げた理由とは?

北澤さん:「もともと僕は学習塾を運営する会社人事部で採用や人材育成に携わっていたのですが、自分で考えアウトプットすることが苦手な大学生を数多く見て、社会に出る前の段階で目的を持つことの大切さを教える役割を担いたいと、会社を辞めて教員試験を受け私立高校で教師となりました。この高校ではさまざまな先進的な取り組みを行っており、アントレプレナー教育の授業立ち上げを任されまして、そこから僕も起業の勉強を始めたんです。自分で起業家プログラムなどに参加するうち、教員として働く中で感じていた教育現場での課題に向き合うような新しいサービスを実際に自分で立ち上げてみたいという思いが強くなりました。

もともと民間企業時代は人事部で採用や人材育成に携わっていたのですが、自分で考えアウトプットすることが苦手な大学生を数多く見て、社会に出る前の段階で目的を持つことの大切さを教える役割を担いたいと、会社を辞めて採用試験を受け私立高校で教師となりました。ちょうど教育現場でもアントレプレナー教育の重要性が謳われていたこともあり、僕も起業の勉強を始めたんです。自分で起業家プログラムなどに参加するうち、教員として働く中で感じていた教育現場での課題に向き合うような新しいサービスを実際に自分で立ち上げてみたいという思いが強くなりました」

教師の労働環境がTwitterを中心に取り沙汰されていましたがどう見ていましたか?

北澤さん:「現状に問題意識を持つ先生は本当に多いと思います。同時に、うちの組織は変わらないとか、教師とはそういうものだと、状況を変えることをあきらめてしまった先生も多いんです。でも僕はあきらめて何もしないのは、この先の時代に対して無責任じゃないかと思います。自分たちが我慢すればいいのではなく、次の世代のためにも今を変えていかなければいけないと思っています。本当は、あの悲痛な訴えの分だけ、やりがいも楽しさもあるはずです。あの思いを行動に移してくれる先生が増えてくれたら、と思いますね」

 

取材:TOKYO HEADLINE