5/17にスタハ丸の内では、オンラインショップの基礎知識をギュッと詰め込んだイベントが開催されました。そのイベント時間は105分という大ボリューム!
講師はオンラインショップを得意業界とするスタハ丸の内の大森渚コンシェルジュ。ご自身もオンラインショップを運営していることから、「この工夫が効いた!」という実例も教えていただきました。
講師
大森 渚氏 ( Startup Hub Tokyo丸の内 コンシェルジュ、株式会社オージュ・コンサルティング 代表取締役)
早稲田大学大学院修了後、株式会社フェリシモで女性向けファッションの商品企画、Webディレクターなどを経験。メーカー直送型事業や顧客向けSNSの立ち上げにも参画。2011年に中小企業診断士として独立、2013年に株式会社オージュ・コンサルティング設立。エンドユーザー向けの販売促進に関するコンサルティングが専門。2019年4月より、ガーナの生地と日本縫製のアパレルブランド「Cherry et Cacao(チェリエカカオ)」を立ち上げ、運営している。「企業の強みを引き出し、整理し、伝える」ことを得意とし、年間50社以上を支援。
<所属・資格等>
中小企業診断士、1級販売士、中小機構販路開拓支援アドバイザー、中小機構創業支援拠点アドバイザー、東京都中小企業振興公社専門相談員
3つの内容をピックアップ!
今回のイベントレポートは、焦点を3つに絞ってお届けします。
- モール型と自社サイト型について
- 小さなブランドが生き残るには
- お客様を増やす、お客様をファンにする工夫
①「モール型と自社サイト型について」
ネットショップの構築方法は、大きく分けて「モール型」と「自社サイト型」の2種類あるそうです。
大森先生「モール型の代表的なサービスといえば、楽天、Yahoo!ショッピング、Amazonなどがあります。手作り商品に特化したサービスとしてはCreemaやminneが当てはまり、CtoCであればメルカリやラクマです。一方、自社サイト型の代表的なサービスはBASEやSTORES、そしてカラーミーショップ、Makeshop、Shopifyなどが当てはまります。自社サイト型のポイントは、2種類のタイプに分かれていること。タイプ1は『月額費用はかかるが売上手数料はなし』で、タイプ2は『月額費用はないが売上手数料がかかる』です。」
大森先生「タイプ1(月額費用はかかるが売上手数料はなし)の入金方法は、購入者から直接入金されます。購入者がクレジットカードで決算した場合は、決算代行会社やクレジットカード会社経由から。それに対しタイプ2(月額費用はないが売上手数料がかかる)は、運営会社を通して入金されます。例えばBASEの場合、売上は一度BASEに入り、いくらか売上が溜まってきたら事業者が振込申請し、入金されるという流れになります。タイプ1と2、どちらを選ぶか悩んだときは売上規模によって決めるといいです。カラーミーショップやShopifyの月額費用は3,000円くらい。STORESは売上手数料5%くらい。みなさんの売上が50,000円だとしたら、カラーミーショップやShopifyを使うと月額費用の3,000円、STORESだと売上手数料の2,500円。このように売上が50,000円程度だと大差ありませんが、100万円規模になると変わります。カラーミーショップやShopifyは(プラン変更しなければ)月額費用3,000円のままですが、STORESだと売上手数料に5,000円かかる。つまり、売上規模が大きくなるほどタイプ1の方が得になります。」
次はECサービスの比較について。下記資料をご参照ください。「モール型」と「自社サイト型」の比較がまとめられています。どのサービスを選択するのがベストか、比較しながら見ていきましょう。まずは「モール型」についての説明です。
大森先生「モール型を選択する場合、楽天、Yahoo!ショッピング、Amazonを検討する方が多いと思います。資料を見ての通り楽天とYahoo!ショッピングには価格差があります。お客様の傾向を見ると楽天の方が集客しやすい印象です。一方Yahoo!ショッピングの場合は、Yahoo!ショッピング内に広告を出して検索上位にならないと、売上が立ちにくい傾向です。お金をかけてもいいから大きな売上規模を狙うなら楽天。リスクを下げたいのであればYahoo!ショッピングを選ぶといいと思います。」
続いて「自社サイト型」の説明に入ります。自社サイト型には「直接決済」と「運営会社決済」の2パターンがあるので、上記資料と照らし合わせながらチェックを。
大森先生「まずは直接決済側から説明します。カラーミーショップの月額費用は834円~とありますが、これは一番安いコースで、実際は3,000円コースを使っている方が多いです。Makeshopは少し高くて7,000円ですが、高い分だけ内部の機能がリッチになっています。Shopifyは29ドルなので3,000円くらい。次に運営会社決算側の説明です。BASEの場合、手数料は合計すると7%くらいでSTORESだと5%くらい。BASEはアプリが充実しているためアプリ経由での流入もあります。どちらも無料なので実際に使ってみることをオススメします。自社サイト型を選ぶときに重視したいのが決済機能。クレジット決済はどのサービスにも付いていますが、その他には何があるのか確認しましょう。例えばスマホ決済はあるのか、代引きは使えるか、Google PayやAmazon Payは使えるか。このように決済の種類を基準にして選ぶのもいいと思います。」
②「小さなブランドが生き残るには」
あなたがオンラインショップで売りたいと思っているものを、商品のカテゴリーで検索してみてください(例:ナチュラル系の化粧水を売りたい場合はGoogleや楽天などで「無添加化粧品」と検索)。おそらく、たくさんのショップ情報が出てくるのではないでしょうか? 数々の有名ブランドや競合店に気後れしてしまうかもしれませんが、小さなブランドでも生き残る方法はあります。そしてその方法は、小さなブランドと大きなブランドの「性質の違い」に潜んでいます。
大森先生「起業家のみなさんは、小さなブランドから始める方が多いと思います。小さなブランドは、基本的に大きなブランドとは性質が違うので、まずはその違いからお伝えします。」
※続きは下記資料を参照に。
大森先生「製品の性質の違いからご説明します。大きなブランドは、多くの人に必要とされるデザインや機能が必要ですが、小さなブランドの場合は、ターゲットは狭くてもいいと思います。特定の人に深く刺さるデザインや機能を備えていることが重要なので、ここにしかない、ここでしか買えない商品にすることが大事。価格については、大量生産しているものと比較する必要はありませんが、その分きちんと価格の背景をみせましょう。ストーリーを見せることにより、『これだけしっかり作っているんだから、この値段を払ってもいいよね』と思ってもらえます。」
モノが溢れかえっているいまの時代、機能的な価値は満たされて当然となり、心理的な価値が重視されています。小さなブランドが生き残るためには、「心理的価値」が重要。お客さんの感情に訴えかけるようなモノ、数値化できないモノ。そこに差別化要因を持つことが、生き残るポイントになるそうです。
③「お客様を増やす、お客様をファンにする工夫」
大森先生は、ガーナの生地と日本縫製のアパレルブランド「Cherry et Cacao(チェリエカカオ)」を運営しています。そのなかで先生ご自身がしている「運営の工夫7選」を教えていただきました!
1, 使える機能はフルで使う
大森先生「アパレルブランドなのでInstagramからの集客に力を入れていますが、そこで使える機能はフルに使っています。InstagramにはShop Nowというショピング機能があるのでしっかり使い、またストーリーズとハイライト機能は組み合わせて活用しています。お気に入りのストーリーズをカテゴライズし、ハイライトでまとめるといったやり方です。」
2, リアルでお客様と語り合う場を作る
大森先生「ECサイトを始めてものすごく実感したのが、意外とリアルから流入する方が多いということ。そのため、リアルでお客様と語り合える場をつくることを重視しています。店頭にいるときはお客様とコミュニケーションを取り、商品説明だけでなくブランドの立ち上げ経緯やアフリカへの想い、また私自身のストーリーを語るようにしています。」
3, アフリカの魅力、旅のワクワク感を伝える
大森先生「私のショップは、アフリカンプリントの服を売っているので、アフリカの魅力や旅のワクワク感も伝えるようにしています。アフリカ文化、デザイン、価値観へのリスペクトはブランドの根源的なもの。そこで出会った人々や感動したことを伝え、お客様にもっとアフリカに興味を持ってもらえるように心がけています。」
4, 1週間コーディネート
大森先生「色彩豊かなアフリカの服を買ったとき、これをどう自分の生活に馴染ませていくか、どう使っていくか、気になるところだと思います。私は自分自身で1週間コーディネートをし、この服はこんなふうに使うんですよと提案しています。」
5, 2枚目以降の写真を活用
大森先生「1回のSNS投稿に掲載できる写真の数はけっこう多いです。Instagramだと10枚、Facebookだと80枚、ツイッターだと4枚。一番見せたい写真は1枚目に持ってきて、2枚目以降は店舗概要や地図、お客様へのメッセージなどを入れるといいと思います。」
6, Instagram広告、Facebook広告
大森先生「フォロワーが少ないときは広告を出すのも有効な手段。以前出した広告では、30代~50代、首都圏在住、女性に絞り込んで広告出稿し、広告費1円あたり約1.5人にリーチしました821円で1,236人にリーチしました。」
7, SNSでは〝個人アカウント〟でのシェアを
大森先生「立ち上げたばかりのブランドだと、ブランドの発信力よりオーナーの発信力の方が強いです。そのため、私はブランドのアカウントから発信するたびに自分のアカウントでリツイートしたりリポストしたりしています。」
以上が、大森先生の実践されている7つの工夫でした。
オンラインショップを始めるにあたり、迷うことはいろいろ出てくると思います。そんなときは「コンシェルジュ起業相談」をご利用ください。
大森先生を筆頭に「オンラインショップ」を専門分野とするコンシェルジュは何人もいますので、自分のショップに沿ったアドバイスが欲しいというときにぜひ!
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