スタハマガジン|TOKYO創業ステーション 丸の内 Startup Hub Tokyo

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TOKYO創業ステーションの先輩起業家に聞く!スタView!#4

スタView!とは、TOKYO創業ステーション(以下:TSS)を利用して起業した”先輩起業家”をお招きし、起業のアイデアを実際に事業化するまでの道のりをコミュニティマネージャーがインタビュー形式で紹介するイベントです。


今回登壇してくださったのは、BUTCHER CUSTOM LEATHER WORKS.代表の永井 達也さんと、kuleha代表の久保 朋美さん。取り組まれている事業について、そしてTSSをどのように利用されたのか、また役に立ったサービスなどについてお伺いしました!
 
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起業家プロフィール

永井 達也氏(BUTCHER CUSTOM LEATHER WORKS. 代表)

2012年、自身のブランド「BUTCHER CUSTOM LEATHER WORKS.」を立ち上げ。保育士の仕事をしながら手縫いのレザークラフトの技術を独学で習得。 その後、レザーショップ兼工房に就職し、さらに技術を磨く。 2021年に個人事業として開業し、江東区門前仲町にてkulehaと店舗を共有したショップ兼工房「FUGE」をオープン。 制作・販売を一貫して行い、オリジナル商品の販売やカスタムオーダーの受注販売などを行う。現在は、店舗販売の他にイベント出店なども積極的に参加している。

BUTCHER CUSTOM LEATHER WORKS.【URL】https://www.butcher-clw.com/

久保 朋美氏(kuleha 代表)

アパレル、革製品の販売の経験を経て、革鞄工房株式会社アナロジコに入社。作り手(職人)兼・店舗責任者として多岐に渡る業務を兼任。売り場製作(VMD)や接客、売上管理だけでなく、作り手(職人)としての技術も学び、精力的に自身の作品を作成。入社3年後で売上NO.1商品を開発し、2021年独立、開業。2022年2月に当時一緒に働いていた永井(BUTCHER)と門前仲町に工房併設のガレージショップ FUGEをオープン。

kuleha【URL】https://www.kuleha.jp/

お二人の起業までの流れ

2021年10月 TOKYO創業ステーションへメンバー登録し、プランコンサルティング利用
2021年11月 個人事業主として開業(永井さん)
2021年12月 kuleha開業(久保さん)
2021年12月 税理士への専門相談を利用(久保さん)
2022年1月 税理士への専門相談を利用(永井さん)
2022年2月 門前仲町に店舗をオープン
2022年3月 融資相談を利用(永井さん)

事業内容について教えてください

永井さん「革製品の製造・販売です。1つの店舗の中で、僕の『BUTCHER CUSTOM LEATHER WORKS.』と久保の『kuleha』の2ブランドを展開する形で営業しています。売上は各々ですが、運営面の負担は二人で折半しています。」

久保さん「男性的なかっこいいスタイルの商品が多いBUTCHERとは対照的に、私のブランドはシンプルだけど使いやすく、革の味わいを楽しめる製品づくりを心掛けています。

私は基本的にミシンで生産をしますが、彼は手縫いが一番の売り。1つのお店の中で、作り方やテイストが異なる2つのブランドを愉しめる、斬新な運営スタイルを模索してきました。」

起業を意識したのはいつ頃ですか?

久保さん「アパレルの仕事をしている時から独立願望がありました。その時は漠然としていましたが、職人になり手に職をつけたことで、自分の作品で起業を目指せる状況になり一歩踏み出しました。一人だとお金の面や物件探しなど、その一歩が重く感じられるものですが、挑戦したい気持ちとタイミングが重なったこともあり、永井と二人でなら勢いで一緒にできるかなと誘いました。」

永井さん「僕はもともと趣味で革細工の制作を行っていたのですが、その延長で本職としてある工房へ就職しました。自分の好きなスタイルで、手作業でつくった商品を多くの人に手に取ってほしいという強い想いがあり、独立するに至りました。

家族や子どもがいる中で、生計を立てることを考えると起業に踏み出す勇気はかなり必要でしたが、久保はセンスも抜群で安定感もあり、彼女とならできそうな気がする、と謎の自信が生まれて(笑)。決意してからは早いスピード感で進んでいきました。」

TSSを利用し始めた頃、一番の課題や不安はなんでしたか

永井さん「まずはお金の問題です。初期費用でどのぐらいかかるか、また店を始めた後の自身の給料面など不安に感じていました。

TSSに通いながら事業計画書を作成したのですが、まだ商品を作っているわけではないし、物件も押さえているものの入居はまだ。何もかも手付かずの状態だったので、あの時期はもう不安しかなかったですね。ここまで来たらやるしかないと、とにかく事業計画書の作成を終わらせる事を第一に考えていました。」

TSSで特に役に立ったサービスを教えてください

永井さん「事業計画書の作成から、税理士の方への専門相談融資相談とつないでいただき、TSS一か所で完結できたことはかなり大きかったです。ラウンジが開放されていることで、書類作成の作業もできました。東京都中小企業振興公社の創業助成金は魅力的ではありましたが、商品の制作に必死で心に余裕がなかったこともあり、申請しませんでした(笑)...。」

久保さん「TSSを利用した当初は、融資や今後の売上計画についての不安を抱えていましたが、プランコンサルティングに通うことで解消できました。事業計画書を書いていくことで、ブランドの目指す方向性や予算をしっかりと認識でき、起業後お店をスタートしたばかりの時も、数値管理しながら運営することができました。一人では事業計画書を作れなかったと思います。」

はじめて売り上げをあげた時のことを教えてください

久保さん「オープン時は商品数が5型のみでした。資金の関係で革もあまり買えず、お店にサンプルを1点ずつ用意して、受注生産という形で代金先払いにて注文を受けていました。1か月半ほど納期をいただくにも関わらず注文してくださるお客様には、本当に感謝しかありませんでした。その売り上げで次の製品の革を買うという自転車操業だったこともあり、1点売れることが本当に嬉しかったです。」

起業の魅力とは?

久保さん「やはり会社に属しているとその会社が決めた素材や金具を使用する、求められるテイストでつくるなど制約があって、すべてを自由に作れるわけではないんです。もっと違う革を使いたい、珍しい金具を探してみたいという探求心が、独立への一番のきっかけですね。独立したからこそ今使っている大好きな革に出会えたので、それだけでもすごく価値があるなと思っています。」

永井さん「確かにその点は大きな魅力だと思います。僕は開業する少し前に『これだ!』という革に出会ったんです。この革を使って手作業で1点1点作り、良さをお客さんに伝えたいというのがとにかく強かった。アメリカのタンナーの革なのですが、コロナの流行期はなかなか日本では買えず、他のカラーでしのいだりして辛抱しました。現在は常時取り扱いのあるカラーを揃えることができています。」

今後の展望を教えてください!

永井さん「特に大きいことがしたいという気持ちはありません。自分の手作業で製品を作りお客様に届けることを大切にしていて、従業員を雇いたいという気持ちも今のところありません。ただ、今後製品もさらに増えていく中で、生産量などの限度が出てくることは課題だと思っています。売り上げも大事ですが、自分の手で作った製品をより多くの方に手に取っていただく、このスタンスを今後も大切にしていきたいです。」

 久保さん「法人化を予定しているので、スタッフもお客様も大切にできる環境を整えていきたいですね。週1でアルバイトを雇い始めたのですが、その方が出産を経験していることもあり、女性が社会復帰しやすい環境を整えていきたいと思っています。」

 

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