スタハマガジン|TOKYO創業ステーション 丸の内 Startup Hub Tokyo

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TOKYO創業ステーションの先輩起業家に聞く!スタView!#6

スタView!とは、TOKYO創業ステーション(以下:TSS)を利用して起業した輩起業家”をお招きし、起業のアイデアを実際に事業化するまでの道のりをコミュニティマネージャーがインタビュー形式で紹介するイベントです。


今回登壇してくださったのは、
株式会社Grit代表取締役の内田 祐介さんと、共同代表の中山 隼輔さん。取り組まれている事業について、そしてTSSをどのように利用されたのか、また役に立ったサービスなどについてお伺いしました!
 
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起業家プロフィール

内田 祐介氏(株式会社Grit 代表取締役)

これまで、大学附属病院にて看護師として13年勤務。外傷から様々な疾患に至るまで、幅広い対象の年齢・疾患への看護の知識と技術を身につける。共同代表の中山とは前職の高度救命救急センターでの同僚。同じ思いのもと2人で起業に至る。

株式会社Grit【URL】https://www.nurse-grit.co.jp/

中山 隼輔氏(株式会社Grit 共同代表)

高度救命救急センターで、救急・集中治療領域に関する看護師業務並びに三次救急における初療対応に従事。生命危機に瀕した方々と多く携わっていく中で、「最後に温泉に入りたかったな」や「親孝行もっとしたかったな」などの後悔とも受け取れる声や思いに対して、何かお手伝いできることはないかと考え、6年間従事した病院を退職し2023年4月に株式会社Gritを設立した。

お二人の起業までの流れ

2022年4月 TOKYO創業ステーションへメンバー登録
2022年4~9月 起業相談を利用
2022年9~翌3月 プランコンサルティングを利用
2022年10~12月 起業家育成プログラムTHE FIRST PITCH 第1期参加
2023年4月 日本政策金融公庫への融資相談を利用
2023年4月 株式会社Gritを設立
2023年9月 東京都中小企業振興公社 創業助成事業 採択

事業内容について教えてください

内田さん「株式会社Gritは、障害や病気があり、外出や旅行に行くことが出来ずにいる方やその家族に向けて、同行支援を通し、自分らしさや人生の充実感を味わっていただけるような事業を展開しています。

ひとつは外出旅行同行支援で、希望される行き先へ安心安全な旅行ができるよう、私たち看護師が同行します。行ける”場所ではなく、その方が本当に行きたい”場所へお連れして、思い出作りをサポートします。もう一つは医療特化型の民間救急事業です。運転から同行まで看護師が行います。自宅から医療機関へ、医療機関から自宅へ、医療機関から医療機関への転院搬送などを行ういわば看護タクシー”です。」

起業したきっかけはなんですか?

中山さん「私たちはもともと同じ大学病院で看護師として働く先輩後輩で、よくお互いの看護観について話していました。患者様やご家族から『最期に〇〇をしたかった』『恩返しをしたかった』といった後悔の言葉をしばしば耳にし、病院規則などの面からすべてに寄り添えない不甲斐無さを感じていました。障害や病気があるからといって楽しみや生きがいが制限されるのはおかしい。培った経験を活かし、二人で何かできないかと考え始めたことが、起業のきっかけになりました。」

TSSをどう活用しましたか?

内田さん「はじめは起業について何も知らず、インターネットで『起業 方法』と調べることから始めました。TSSを知る前は、税理士事務所に直接電話をして『どうやったら会社を起こせますか?』と聞いてしまったこともありました。当然『うちではそういう相談は受けつけていません』と言われてしまい……(苦笑)。後に、東京都が起業の支援をしているTSSという施設があると知って、2022年4月にメンバー登録をしました。

登録当初は、自分たちが起業のアイデアに至るまでの漠然としたストーリーだけがあったので、それを起業相談コンシェルジュに話したことがスタート地点になりました。そこから起業準備に役立つ書籍やイベントを紹介してもらったり、『THE FIRST PITCH 』という起業家育成プログラムに参加してビジネスアイデアを固め、その後プランコンサルティングで事業計画書の作成支援サービスを受けました。」

中山さん「THE FIRST PITCHでは、そこで出会った仲間と約1か月半、日々研鑽することができました。卒業して1年経ちますが、今でもそのコミュニティでいろいろとアドバイスをいただいています。」

起業準備初期の課題や不安はなんでしたか?

内田さん「看護師という職業を辞め起業をするにあたって、生活面で安定が得られるのか。起業での資金面や、自分たちで計画を立てて営業していけるのか不安がありました。」

中山さん「看護師の経験しかなく、ビジネス用語や医療業界以外の社会の仕組みが分からず不安に思いました。わからない事があったらコミュニティマネージャーと話したり、起業相談を活用して、自分の理解を深めることを一番の課題として取り組んでいましたね。」

はじめて売り上げをあげた時のことを教えてください

内田さん「会社設立後約5か月が経過し、先日はじめて売り上げが立ちました。潜在顧客がどこにいるか洗い出し、BtoCのサービスながらBtoBで老人ホーム、訪問診療ステーション、訪問看護ステーション、医療機関、クリニックなどに営業回りを行いました。はじめての売上は老人ホームからの依頼で、医療機関への傷病者搬送支援でした。営業ノウハウがない中、二人で試行錯誤した結果の売り上げで、正直に嬉しかったです。今後も、幅広い年齢層への対象を考えているので、包括支援センターやこどもホスピス、重症心身障がい施設などにも営業を行っていこうと思います。

中山さん「お金云々以上に、自分たちがやりたかったサービスが誰かに届き、誰かの一助になったということにとても感動しました。」

現状で大変なことはなんですか?

内田さん「はじめは勤めていた病院で使っていたような高規格の救急車を購入予定でしたが、調べを進めると新車では難しく、中古車での購入を検討することになりました。幸い、特装車を扱う自動車販売会社から購入することができました。医療用機材の調達もネット通販で消耗品を買うようにはいかず、看護師時代当たり前に使えていたものが簡単に手に入らない壁はありますね。

いくら質の良い商品やサービスでも、手に取って頂けなければ価値は生み出せません。どのように自社のサービスを認知してもらい、興味を引き、実際に利用していただくかに悪戦苦闘しています。その一環でプレスリリースを出したところ、記事掲載のお話やVCから資金調達のお声がけをいただきました。」

今後の展望を教えてください!

内田さん「車両を増やしたり、医療従事者の人員補充を行って、扱える案件を増やしていきたいです。全国の主要都市に事業所を置き、移動した先でも自社のサービス展開を図ることが目標です。5~10年中には海外旅行にも対応したいですね。」


中山さん「一人でも多くの人に幸せになっていただくことが最終目標です。病気や障害があっても当たり前に外出や旅行をして、人生に楽しみを持つ。そんな人を一人でも多く増やすということを目標に頑張っていきたいです。」

 

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